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国民年金で税金が安くなる?知っておきたい控除の仕組み

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国民年金で税金が安くなる?知っておきたい控除の仕組み

日本に住んでいる人は、20歳以上になると国民年金の保険料を支払う義務があります。

一方で、国民年金や国民健康保険などの「社会保険料」を支払った場合、その支払額に応じて所得税と住民税を軽減してもらえるというルールがあります。

これを社会保険料控除といいます。

ここでは国民年金を支払ったときに税金が安くなる仕組み(社会保険料控除の仕組み)について解説させていただきます。

 

国民年金の控除ってどういう意味?

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国民年金の保険料は、支払額全額が「社会保険料控除」として税金の負担軽減に役立ちます。

ごく簡単にいうと社会保険料をきちんと支払ってくれた人は、その分だけ所得税などの税金を安くしてもらえる仕組みになっているというわけですね。

社会保険料控除がどのように所得税や住民税などの税金の計算に影響があるのか?を理解するために、まずは所得税や住民税の基本的な計算方法を知っておきましょう。

所得税や住民税の計算方法

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所得税や住民税は以下の計算式によって税額を知ることができます。

税額=(収入の金額−経費の金額−所得控除の金額)×税率

例えば、個人事業主の人で収入が年間1000万円、経費が500万円、所得控除が100万円だったとすると、「(1000万円−500万円−100万円)×税率」で税額を計算することができます。

所得控除ってなに?

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上の計算式で、所得控除というのはその人それぞれの状況に応じて差し引きしてもらえる金額のことです(所得控除が多いほど税金は安くなります)

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例えば、まったく同じ収入と経費の人であったとしても、養う奥さんがいる人と独身の人とでは生活の負担は全く違いますよね。

奥さんがいる人は「配偶者控除」として年間38万円の所得控除を受けることができます。

なお、所得控除には配偶者控除の他に、次で説明する社会保険料控除、医療費控除や扶養控除などたくさんの種類があります。

国民年金保険料は所得控除

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国民年金の保険料など、社会保険料の支払額もこの所得控除に該当します。

国民年金保険料や国民健康保険料などの支払額合計が「社会保険料控除」として所得控除の一種として扱われる仕組みになっているのです。

例えば、税率5%の人が年間で20万円の社会保険料を支払ったとすると、20万円×5%=1万円だけ税金が安くなることになります。

サラリーマンの国民年金はどうなっている?

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サラリーマンの人の場合、国民年金の代わりに厚生年金という形で保険料を支払っています。

ごく簡単にいうと、この厚生年金の保険料を支払っている人は、国民年金の保険料も自動的に支払っているという扱いになっています。

ですから「自分は学校を卒業してすぐに企業に勤め始めたけど、自分で国民年金の手続きなんかしたことないけど?」という方も通常は問題ありません。

厚生年金の手続きは勤務先がやってくれる

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厚生年金への加入はあなたが所属している企業側で手続きをして、保険料も毎月のお給料から天引きして払ってくれています。

給与明細をみると「厚生年金保険料」や「健康保険料」といった項目があると思いますが、これらの年間の支払額合計が「社会保険料控除」の金額になるというわけです。

  • 毎月の社会保険料支払額:給与明細で確認
  • 年間の社会保険料支払額:源泉徴収票で確認

サラリーマンの人の場合、年に1度勤務先から源泉徴収票という書類を受け取ると思いますが、その源泉徴収票に社会保険料の合計支払額が記載されていますので、正確な金額を知りたい場合はそちらを参照すると良いですよ。

 

社会保険料控除はさかのぼることができる?

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過去に支払った国民年金の保険料を、税金の計算上社会保険料控除に入れていなかったという場合、所得税や住民税を多めに支払ってしまっている状態になっています。

例えば、大学生の期間中は学生の納付特例制度を利用していて国民年金の保険料支払いを猶予してもらっていたというような場合で、卒業後に猶予してもらっていた保険料をまとめて支払ったというような場合が該当します。

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追納分を社会保険料控除に入れるには確定申告が必要

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サラリーマンの方の場合は毎月お給料から天引きされている厚生年金保険料については勤務先の企業で年末調整のときに社会保険料控除の計算に入れてもらうことができますが、自分で追納した社会保険料等については計算に入れてもらうことができません(自分で確定申告しなくてはなりません)

  • 給与天引きの保険料 :勤務先が計算してくれる
  • 自分で追納した保険料:自分で計算が必要

追納した分については何もしていなかったという場合、その保険料分は社会保険料控除に含まれておらず、税金の計算に考慮されていないことになってしまうというわけです。

還付申告で税金を返してもらう

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その場合、後から還付申告という手続きを行うことで税務署から払い過ぎた税金を還付してもらうことができますが、還付申告は過去5年間までしかさかのぼることができませんので注意が必要です。

例えば、平成24年にまとめて支払った追納分について還付申告をしたいという場合、還付申告の期限は平成29年12月31日ということになります。

この期限を過ぎてしまうと基本的に還付を受けることができなくなってしまいますから注意しましょう。

国民年金の前払いがあるときの社会保険料控除

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国民年金の保険料は4月末までであれば1年分や2年分をまとめて支払うということができます。

まとめて支払った場合には以下のように保険料の負担が小さくなりますから、お金に余裕がある人は利用した方がお得です。

  • 1年分の前納:年間で3510円だけ保険料負担が減る
  • 2年分の前納:年間で7200円だけ保険料負担が減る

保険料を前払いした場合、かなり大きな金額になりますが、その支払い分についてはその年の社会保険料控除に入れることができます(社会保険料控除はいつの分の保険料であるかには関係なく、その年に支払った金額の合計額を計算に入れることができるためです)

事業の利益が出ている時に節税として使う

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ただし、個人事業主の方の場合、事業が赤字の場合などには社会保険料控除を計算に入れても節税対策として意味がない場合があります。

簡単にいうと、社会保険料控除はもうかっている年に使った方が節税対策上はお得ですので、利益が出ていない時には前納はせずに利益が多く出そうな年に前納するようにした方が賢いやり方です。

ただし、事業の状況を予測するというのが難しいという場合には前納してしまうというのも一つの手です(前納は4月末までしかできないので注意)

 

国民年金の控除は生計を一にする家族分も含む

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国民年金の保険料を支払うと、その支払い額は全額が社会保険料控除となりますので税金を安くするのに役立ちます。

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さらに、この社会保険料控除は家族の保険料を支払った場合にも自分の税金計算に入れることができます。

例えば、個人事業主である夫が妻の国民年金保険料を代わりに支払ったというような場合には、妻の支払い分については夫の社会保険料控除に含めることができるというわけですね。

誰を支払い者とするのがお得?

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通常、所得が多い人に多くの社会保険料控除を使った方が税金が安くなります(日本は所得の多い人ほど所得税率が高いため)から、税金の負担額が世帯全体で考えた方が安くできる可能性があります。

なお、国民健康保険についてはそもそも世帯合算で請求書がきますので、家族の分も自動的にまとめて支払うことになります。

国民年金の控除は内縁関係でも適用になる?

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婚姻届は出していないけれど実質的には婚姻関係にある相手(いわゆる内縁の夫や妻)は、法律上の夫婦と同じように扶養に入れることが可能です。

例えば、内縁の夫がサラリーマンで厚生年金に加入しており、内縁の妻は無職という場合、この内縁の妻を扶養に入れて保険料の支払いを免除してもらうということができます。

内縁の妻を扶養に入れるための手続き

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なお、内縁の妻や夫を不要に入れる場合には住民票で世帯主や同一世帯として申告していることが条件となります。

事前に市役所で手続きをしておきましょう(書類上、単なる「同居人」ではなく、「見届けの妻」という形にする必要があります)

社会保険料控除と内縁関係

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内縁関係の夫や妻の国民年金保険料を自分が払ったというような場合、その支払った保険料を自分の社会保険料控除に含めることができるか?という問題が生じます。

結論から言うとこれは難しい可能性が高いです。

所得税の計算上、配偶者とされるのは「民法の規定による配偶者」であることとされていますから、内縁関係の人は含まれないとされるためです。

この点、税金の計算と社会保険料の計算では考え方が違うので注意してください(社会保険料の場合、内縁の夫や妻を扶養に入れることができます)

実際には税務署の判断となる

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なお、実際に社会保険料控除に入れることが認められるかどうかは所轄の税務署の判断になる部分も大きいですので、とりあえず内縁の人の分の保険料も社会保険料控除に入れて確定申告し、その後税務署から修正を求められたら修正する、というかたちが良いかもしれません(顧問の税理士がいる場合は相談してみてください)

 

国民年金の控除と確定申告

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国民年金保険料の支払額を社会保険料控除として認めてもらうためには、税務署に対して税金の申告をしなくてはなりません。

税務署への税金の申告はサラリーマンの人であれば年末調整、個人事業主の人であれば確定申告という形で行います(なお、サラリーマンの人でも確定申告はできます)

国民年金に加入している人は個人事業主やフリーターの方ですので、以下では個人事業主の方が確定申告を行う時の注意点について解説させていただきます。

社会保険料控除の計算方法

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税金の計算上社会保険料控除に含めることができるのは、「その年に払った社会保険料の全額」です。

あくまでも支払いをした金額だけが問題になりますから、過去に未納になっていた保険料を追納したというような場合であっても、確定申告を行う年の分の社会保険料控除の計算に含めることができます。

家族の分の社会保険料を代わりに払った場合

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また、扶養している家族の国民年金保険料を代わりに支払ったというような場合でも、その支払い分は確定申告を行う人の社会保険料控除に含めることができます(ただし、法律上の夫婦ではない内縁の夫、妻の場合は代わりに支払っても社会保険料控除に入れることができないので注意してください)

前納した場合

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国民年金の保険料は1年分や2年分をまとめて支払う(前納といいます)ということができますので、翌年の分の保険料をいつの社会保険料控除に入れるかが問題となります。

結論から言うと、前納した社会保険料については1年間でまとめて社会保険料控除として使っても良いですし、1年ごとに分けて使っても良いことになっています。

社会保険料控除は所得が多い年にたくさん使った方が節税効果が高くなりますから、個人事業主の人は事業の状況を見ながらいつの年の社会保険料控除として使うかどうかを判断すると良いでしょう。

国民年金の控除証明書

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確定申告を行うときに国民年金の保険料の支払い分を社会保険料控除に含めるためには、日本年金機構が発行する控除証明を添付しなくてはなりません(以前は添付しなくても問題んなかったのですが、平成17年以降は必須になっています)

控除証明書の見方

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控除証明書には「納付済みの保険料」と「12月31日までに納付が見込まれる保険料額」が記載されていますが、社会保険料控除に含めることができるのはその年に実際に支払い済みとなっている保険料です。

年末までの支払額合計が記載されている控除証明は毎年2月ごろに自宅に届くようになっています。

国民年金の控除証明書を再発行してもらうには?

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国民年金の控除証明書を紛失してしまった場合には、年金事務所に連絡すると再発行してもらうことが可能です。

再発行のためには基礎年金番号を知らせる必要がありますから、年金手帳などを手元に置いてわかるようにしておきましょう。

再発行は数週間程度でしてもらえますが、確定申告の期限(毎年3月15日)が近いときには早めに再発行を依頼するようにしてください。

国民健康保険に控除証明はある?

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国民健康保険料については控除証明書は添付する必要がありません(国民年金とは扱いが違うので注意してください)

社会保険料控除に含めることのできる国民健康保険料は実際に支払いをした保険料だけですので、領収書や銀行通帳から支払額合計を確定申告書に記載するようにしましょう。

国民年金の延滞金は社会保険料控除に含む?

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国民年金の保険料を長期間にわたって未納状態にしていると、延滞金を請求されてしまうことがあります。

延滞金は年利率14.6%という高い利率で負担しなくてはなりませんから、保険料は期日通りに支払うようにするとともに、どうしても支払いができない場合には免除の申請等を行うようにしましょう。

また、延滞金を支払った場合には、その延滞金の金額は社会保険料控除に含めることができません(延滞して支払った保険料については社会保険料控除に入れることができます)

国民年金の控除が住民税に与える影響は?

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国民年金保険料を支払った場合には、所得税だけではなく住民税からも控除を受けることができます。

住民税の計算は所得税とほとんど同じで、社会保険料については支払額の全額を控除に入れてもらうことができます。

住民税の計算は自分ではやる必要がない

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なお、住民税の計算は役所が所得税の確定申告書に基づいて自動的に計算して通知してくれます(4月〜5月ごろに自宅に決定通知書と納付書が届きます)から、あなた自身がやることは所得税の確定申告だけでOKです。

  • 所得税の計算:自分か勤務先が計算
  • 住民税の計算:役所が自動的に計算してくれる

住民税の支払いは個人事業主の方の場合は6月〜翌年5月にかけて一括または分割の形で納付書を使って支払います(普通徴収と言います)

サラリーマンの人の場合は毎月のお給料から天引きという形で住民税を支払うことになります(これを特別徴収といいます。所得税の場合は源泉徴収といいますが、どちらも要するに天引きのことで同じ意味です)

 

まとめ

国民年金で税金が安くなる?知っておきたい控除の仕組み

今回は、国民年金の保険料を支払うことで所得税や住民税といった税金を安くしてもらうことができる「社会保険料控除」の仕組みについて解説させていただきました。

 

税金計算の仕組みについては税務署の職員さんや税理士に相談するとくわしくおしえてもらうことができますので、どうしても理解できない部分がる方は相談してみると良いですよ。

引き続き、「一流ビジネスマンになれる方法」をご紹介していきます↓




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