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国民年金で老後にもらえる金額はいくら?受給額計算の仕組み

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国民年金で老後にもらえる金額はいくら?受給額計算の仕組み

国民年金の保険料を支払うように自宅に請求書が来ていたけど、今の若い世代は将来的に年金なんてもらえないとよく聞くから、保険料を支払ってもむだかも…。

テレビやインターネットではこの手の「年金破綻」についての話題がたくさん目にしますから、「保険料なんていま支払って意味あるの?」という疑問をお持ちの方も多いかもしれません。

ここでは現在の年金制度のもとで支払った保険料が将来的にいくらぐらい返ってくるのか?について基本的な知識を理解しておきましょう。

 

国民年金の老後の受給額は?

国民年金で老後にもらえる金額はいくら?受給額計算の仕組み

若いうちに支払っていた国民年金の保険料は、老後に年金として戻ってきます。

気になるのは保険料が未納になっている期間がある場合に、老後に受け取る金額にはどのぐらいの影響が出るのか?ですよね。

ここでは老後に受け取ることができる国民年金の受給額の計算方法について理解しておきましょう。

満額で受け取った場合

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国民年金の受給額は、「保険料を全て払った場合には満額がもらえるが、保険料を払っていなかった期間がある場合には、その期間に応じて満額の金額から差し引きされる」という仕組みになっています。

満額の金額はその年の物価変動によって変わるため毎年変更になりますが、平成29年度は77万9300円となっています。

  • 保険料を全て支払った人:満額が受け取れる
  • 未納の保険料がある人 :満額から減額される

若いうちに保険料をきちんと全額払った人は老後には毎年満額の金額を受け取ることができます。

しかし、未納となっている期間がある人の場合は、この満額の金額から差し引きすると言う形で受給額が減らされてしまうと言うわけですね。

未納の保険料があると減額されてしまう

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問題はいくらぐらい減らされてしまうのか?ですが、計算式で説明すると以下の金額になります(実際の計算はもうちょっと複雑ですが、おおよそこの計算式で計算できます)

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満額の金額(77万9300円)×納付した月数÷480ヶ月

国民年金は20歳〜60歳までの40年間(月数にすると12ヶ月×40年間=480ヶ月)に支払います。

例えばこの40年間の間に未納となっている月数が100ヶ月あるという人の場合は、受給額は以下のようになります。

77万9300円×(480ヶ月−100ヶ月)÷480ヶ月=61万6945円

保険料を支払った人と比べると年間で16万円程度もらえる金額が少なくなってしまうことになりますね。

最低10年間は保険料を支払っていないと1円も受け取れない

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国民年金の保険料は20歳〜65歳までの25年間の間に、少なくとも10年分は支払っていなくては老後に1円も受け取ることができなくなってしまいます。

以前はこの条件は25年間だったのですが、平成29年8月1日以降は法律が改正され、10年間以上ありさえすれば年金を受給できるようになりました(つまり条件が楽になりました)

保険料未納がある場合の計算

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ただし、保険料を支払っていない期間がある場合には受給額が減額されるのはこれまでと変わりません。

例えば保険料払い済み期間が10年間しかないという人の場合、老後に受け取れる受給額は以下の金額になってしまいます(未納期間は30年分=360ヶ月分)

77万9300円×(480ヶ月−360ヶ月)÷480ヶ月=19万4825円

年間で19万4825円ということは月の金額にすると1万6000円程度ですので、収入がこの金額だけでは生活していくことができません。

国民年金は老後の自分のために負担するものですので、できる限り支払いをしておくようにしましょう。

 

免除された期間はどう計算する?

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失業や入院などによって収入が激減してしまったような場合には、国民年金保険料の支払いを免除してもらえることがあります。

免除が認められれば保険料の負担は小さくなる(なくなる)わけですが、その分老後にもらえる金額は少なくなってしまうので注意が必要です。

以下、国民年金保険料を免除された期間がある人の受給額の計算方法を解説させていただきます。

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保険料を免除された期間がある場合の受給額の計算

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上でも解説させていただいたように、国民年金の受給額は以下のように計算します。

満額の金額(77万9300円)×納付した月数÷480ヶ月

保険料を免除された期間がある人の場合は、上の計算式に加えて以下のような形で受給額が計算されることになります。

満額の金額(77万9300円)×(納付した月数+全額免除の月数×8分の4+4分の3免除の月数×8分の5+2分の1免除の月数×8分の6+4分の1免除の月数×8分の7)÷480ヶ月

計算式がかなりややこしくなっていますが、以下のような順番で計算をしていけばスムーズに計算できると思います。

①免除されていた割合を確認する

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役所で申請をして免除が認められる場合、免除額は以下のいずれかの割合になります。

  • 全額免除
  • 4分の3免除
  • 2分の1免除
  • 4分の1免除

免除が決まった時には「国民年金保険料免除、納付猶予申請承認通知書」というハガキが自宅に届くはずですので、免除の割合もこのハガキに記載されているはずです。

紛失してしまっている場合は年金事務所で確認するようにしましょう(基礎年金番号をわかる状態にしておきましょう)

②免除されていた期間を確認する

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次に、上記のそれぞれの割合で免除を受けていた期間が何ヶ月間か?を確認しましょう(通常通り納付した期間も確認しましょう)

「国民年金保険料免除、納付猶予申請承認通知書」のハガキをみると免除されていた月数を確認することができます。

こちらも紛失してしまっている場合には年金事務所で確認しましょう。

③計算式に当てはめる

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ここまでであなたが免除されていた保険料の割合と、免除されていた期間がわかっている状態です。

あとは下の受給額計算のための計算式に免除割合と期間を当てはめるだけです。

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満額の金額(77万9300円)×(納付した月数+全額免除の月数×8分の4+4分の3免除の月数×8分の5+2分の1免除の月数×8分の6+4分の1免除の月数×8分の7)÷480ヶ月

例えば、以下のように免除の割合と期間が決まっていたとしましょう。

  • 通常通り納付:360ヶ月間
  • 全額免除:12ヶ月間
  • 4分の3免除:12ヶ月間
  • 2分の1免除:24ヶ月間
  • 4分の1免除:36ヶ月間

これを計算式に当てはめると、受給額は以下のように68万6758円となります。

77万9300円×(360ヶ月+12ヶ月×8分の4+12ヶ月×8分の5+24ヶ月×8分の6+36ヶ月×8分の7)÷480ヶ月=68万6758円

より正確な需給予定額を知りたい場合には年金事務所や年金定期便などを確認するようにしましょう。

 

厚生年金と国民年金では受給額に差はある?

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サラリーマンの人が加入する厚生年金と、個人事業主や専業主婦の人が加入する国民年金では、老後に受け取れる受給額にかなりの差が出るのが普通です。

国民年金の受給額満額は一定ですが、厚生年金の受給額は現役時代に支払った保険料の金額によって異なるので一概にはいえません。

厚生年金受給額の平均は22万円

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しかし、厚生労働省が発表している厚生年金の受給額の平均額が月額22万1504円(平成29年)なのに対して、国民年金の受給額は満額でも月額6万5008円です。

もちろん、厚生年金は現役時代の保険料負担が国民年金保険料よりも高くなる可能性が高い(厚生年金の保険料は「毎月の給与の平均額×保険料率」で計算します。保険料率は本人負担で9%程度です)です。

どちらがお得?

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そのため厚生年金と国民年金を比較した時にどっちが得か?を考えるときには生涯での保険料支払額も考慮して決める必要があるのですが、受給額にはかなり大きな金額の差があるとともに、国民年金だけでは実質的に老後の生活をまかなうことは難しいといわざるを得ません。

個人事業主として生活している人は、事業を法人化して厚生年金に加入したり、小規模企業共済といった経営者のための退職金制度に加入するなどして老後の備えをきっちりとしておく必要があると言えます。

 

繰り上げで受け取ると受給額はどう変わる?

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国民年金の老齢基礎年金の需給は、基本的には65歳からスタートします。

ですが、もっと早く年金を受け取れるようにしたいという人は、繰上げ支給という形で早めに受け取ることもできます(繰り上げ支給は60歳から可能です)

繰上げ支給の注意点

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ただし、繰上げ支給によって早く受け取ることにした場合には、受け取れる金額は少なくなってしまうことには注意しておきましょう。

減額される金額は「本来の受給額×0.5%×繰り上げた月数」で計算します。

繰上げ支給での受給額は?

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老齢基礎年金の満額は77万9300円(平成29年)ですので、もし60歳からの繰上げ支給を選択した場合には0.5%×60ヶ月=23万3790円だけ少ない54万5510円が受給額ということになります。

満額受給の場合には月額は6万5000円程度、60歳からの繰り上げ支給の場合は月額は4万5000円程度になりますから、早く受け取れる分2万円ほど支給額が少なくなります。

老後のライフプランから判断する

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もちろん、この場合5年間だけ早く受け取っているわけですからその人の寿命によっては繰上げ支給をした方が得をするということも考えられます。

ご自分のリタイアの時期をいつにするか?は老後のライフプランから判断するようにしましょう。

だいたい全体の3割ぐらいの人が老齢基礎年金を繰上げ受給しているというデータがあります(厚生労働省の平成27年度「厚生年金保険、国民年金事業の概況」)

繰り下げ受給もできる

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また、老齢基礎年金は繰り下げて受け取ることもできます。

例えば本来は65歳から受給できる老齢基礎年金を70歳から受け取るというような場合を「繰り下げ受給」といいます。

繰り下げ受給で受給額は増える

繰り下げ受給を選択した場合、年金の金額は「0.7%×繰り下げた月数」だけ増額で受け取ることができます。

繰上げと繰り下げについては「早く少ない金額を受け取るか、遅く多めの金額を受け取るか」という選択になるということですね。

なお、繰り下げ受給を選択している人は上記の厚生労働省のデータによると約1.4%と非常に少ないのが実情です(65歳から受給している人がもっとも多く63.1%です。繰上げ受給を選択している人は35.6%です)

国民年金の老後の受給額は毎月いくら?

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国民年金の満額は年額で77万9300円(平成29年)ですが、月額にすると6万5000円程度ということになります。

老後には生活のための費用は少なくなる傾向があるとはいえ、この金額だけではとても生活して行けない…という人が普通だと思います。

老後資金は国民年金だけでは不十分

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さらに、老後の資金としては医療費や介護サービスを利用するためのお金も考えておく必要がありますから、国民年金だけでは老後の資金としてまったく足りないということを理解しておく必要があります。

以下では国民年金に加入する個人事業主の人が老後の準備としてやっておくべきことを考えてみましょう。

老後の受給額がアップする国民年金基金

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まず、国民年金の受給額をアップできる制度として「国民年金基金」というものがあります。

これは国が運営している制度で、自営業者の人(国民年金第1号被保険者の人)だけが加入することができます。

国民年金基金の仕組み

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国民年金基金というのは簡単にいうと毎月の国民年金の保険料を割り増しで支払っておくと、老後にもらえる金額が少しだけ多くなるというものです。

また、割り増しで支払った保険料は全額が社会保険料控除になりますので、所得税や住民税の節税にもなるというメリットもあります。

掛け金は月額上限が6万8000円、年額上限で81万6000円となっています。

事業主は法人化して厚生年金に加入する

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個人事業主として活動している人は国民年金にしか加入できませんが、自分の事業を法人化すれば厚生年金に加入することができます(経営者は法人の役員として会社に雇用されている形になるためです)

上でも解説させていただいた通り、厚生年金の方が国民年金よりも老後にもらえる金額が多くなる傾向がありますから、老後の資金を充実させるためには法人化して厚生年金に加入することも検討してみましょう。

 

厚生年金に加入する場合、医療保険についても国民健康保険から健康保険に変更することになりますから注意しておきましょう。

小規模企業共済は節税効果もある経営者の退職金

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中小企業経営者の方が利用できる老後資金の準備として、小規模企業共済という制度があります。

小規模企業共済は中小企業経営者の退職金積み立て制度で、生命保険会社の個人年金と同じようなものですが、掛け金が全額所得控除となるというメリットがあります。

年間の掛け金年額上限は84万円ですので、これに所得税と住民税の税率をかけた金額だけ節税になりますので、中小企業経営者の方に人気のある老後資金の準備方法です。

 

まとめ

国民年金で老後にもらえる金額はいくら?受給額計算の仕組み

今回は、現在支払っている国民年金保険料が、将来的にいくらぐらいの受給額として返ってくるのかについて簡単に説明させていただきました。

国民年金は自分が老後を安心して暮らしていくために払っておくものですが、具体的にいくらぐらいもらえるのか?を知っておくことは大切です。

個人事業主の方は国民年金だけではなく、老後に備えて厚生年金やその他の制度を利用することも検討してみてくださいね。


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