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「できない」の敬語・尊敬語・謙譲語・丁寧語の使い方と意味8選

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「できない」の敬語・尊敬語・謙譲語・丁寧語の使い方と意味8選

ビジネスシーンで必ず訪れるシーンといえば、「できない」ことを伝えなければいけない場面です。

「できない」という事実を伝えるまでに、決定までの経緯がどのようなものであったかはもちろんのこと、相手がどんなに偉い人だとしても、会社の一員として「できない」事を伝えなくてはならないので、かなり気を使うことは間違いありません。

こんな時、社会人に求められるのは、さまざまなシチュエーションに対する適応力と柔軟性です。

「できない」という、相手にとってはがっかりする結論を伝えなくてはならない時でも、正しい敬語の使い方を身につけていれば、相手に失礼な言動をせずに、社会人としてスマートな対応をすることができるのです。

ここでは、「できない」の敬語・尊敬語・謙譲語・丁寧語の使い方と意味8選についてご紹介していきます。

 

【敬語】…「できない」の基本的な使い方と意味とは?

「できない」の敬語・尊敬語・謙譲語・丁寧語の使い方と意味8選

まず、「できない」の敬語体として使うことのできる単語をいくつかご紹介しましょう。

「できない」事を伝えるにしても、当然相手に敬意を払いながら、そのことを伝えなくてはなりません。

また、なぜできないのか、その理由を明確に伝えた方が、より相手へ敬意が伝わるということも、十分理解しておきましょう。

実際には、どのような敬語体があり、どのようなシーンで使うべきなのかを、詳しく見ていきましょう。

1.「できない」の敬語体は「できかねる」「致しかねる」など

「できない」の敬語・尊敬語・謙譲語・丁寧語の使い方と意味8選

「できない」の敬語体としては、次のような言葉があります。

・できかねる

・いたしかねる

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その他にも、さまざまな言い方で断る方法はありますが、敬語として使えるのはこの2つの言葉です。

この2つの言葉は、以下のように使うことが多いです。

・そのご提案には、賛成致しかねます。

・そのご要望には、対応できかねます。

などのように、否定することを意味する言葉を、敬語体にして使っているのがポイントです。

ビジネスシーンでは「できません!」「無理です!」という言葉を使うのは、なかなかできません。

それでも、出来ないことをあやふやにして伝えるのも、決していいことではありませんから、やはり適切な敬語を使って、相手に対して「ノー」の意向を伝える必要があるでしょう。

2.「できません」はビジネスシーンで使うべき適切な敬語ではない

「できない」の敬語・尊敬語・謙譲語・丁寧語の使い方と意味8選

ビジネスシーンにおいては、適切な否定形の敬語が思いつかないこともあって、ついつい「できません」と言ってしまうことがあります。

気持ちは分かりますが、ビジネスシーンにおいて「できません」は、適切な敬語とは言えません。

お客様などに断る際には、相手を尊重した丁寧な言い回しをすることが基本です。

「できません」では、相手に唐突な印象を持たれかねませんので、やはり「できません」ではなく「致しかねます」「できかねます」などが、ビジネスシーンでふさわしい表現です。

・ご要望にはお答えできません

・ご要望にはお答え致しかねます

できませんというよりは、後者の「致しかねます」を使った方が、否定する強さが多少マイルドになった印象も受けられます。

「できません!」と言われても、相手は唐突に受け止めてしまうでしょうし、要件やその進捗状況によっては、怒り出しても仕方がない場合もありますから、物事を否定するときは、相手への十分な配慮が必要です。

 

【尊敬語】…「できない」の基本的な使い方と意味とは?

「できない」の敬語・尊敬語・謙譲語・丁寧語の使い方と意味8選

それでは、「できない」の尊敬語について、この章で見ていくことにしましょう。

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「できない」には、実は尊敬語が存在しません。

「できない」事に尊敬の念もあったものではないというもの事実ですが、ビジネスマナーにおいては謙譲語である「できかねる」「致しかねる」を代わりに使うこともあります。

それでは、相手に敬意を払うためにどのような敬語を使って「できない」気持ちを相手に伝えるのか、その方法を考えましょう。

1.「できない」とストレートに言わずに、クッション言葉を使う

「できない」の敬語・尊敬語・謙譲語・丁寧語の使い方と意味8選

まず、相手に「できない」という気持ちをいかに丁寧に伝えることが出来るかを考えましょう。

いきなり「できません!」と言われても、言われた側は「そんなことを言われても!」「理由もわからないのに結論だけ言われても」などと、さまざまな気持ちを抱くことでしょう。

この時に、相手にマイナスの気持ちを抱かせることがないように、ストレートに「できない」という意思を伝えないようにしましょう。

例えば、次のような言葉を、冒頭に置くことでクッション言葉になるのです。

・大変ありがたいお話なのですが

・誠に残念ですが

・せっかくのお申し出なのですが

・不本意ではございますが

などの表現を冒頭に置くことで、「できません」という意向を伝えるときに、相手の気持ちを察しているという、こちらの意思が伝わります。

・大変ありがたいお話なのですが、今回はお断りさせていただきます。

・今回はお断りさせていただきます。

冒頭にクッション言葉があるのとないのとでは、相手の受ける印象もかなり違ってくるのです。

2.「できません」と直接言わないけれど、その気持ちを伝える敬語もある

「できない」の敬語・尊敬語・謙譲語・丁寧語の使い方と意味8選

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「できない」という言葉に対する敬語は少ないですが、「できない」という気持ちを相手に伝えるために、日本人は様々な敬語を生み出しています。

例えば、次の例文のような言葉も、結果的に「できない」という気持ちを伝えるための言葉になっています。

・見送らせていただきます

・お受けいたしかねます

・お断りせざるを得ません

・ご遠慮申し上げます

これらの言葉は、「できない」と直接言ってはいませんし、「できない」の敬語体でもありません。

ですが、「できない」ことを敬意をもって相手に伝えるために、ビジネスシーンではよく使われている言葉です。

・今回のご提案は、お断りせざるを得ません。

・田中課長の出席は、見送らせていただきます。

というように、実際の例文にしてみると、ビジネスシーンでよく使っている言葉であることに、気付く人も多いのではないでしょうか。

このように、あえて「できない」の敬語体を使わずとも、「できない」意向を先方に伝えることのできる言葉もあることを、この機会に覚えておきましょう。

 

【謙譲語】…「できない」の基本的な使い方と意味とは?

「できない」の敬語・尊敬語・謙譲語・丁寧語の使い方と意味8選

「できない」の謙譲語は「できかねる」「致しかねる」の2つの言葉があります。

ビジネスシーンでは、相手からの提案に対して応じることが出来ない場合や、決断を求められているときに「ノー」の意向を表す時に使われる敬語となっています。

それでは、実際の使い方や例文などを、見ていきましょう。

1.「できかねる」と「致しかねる」の使い分けは必要ない?

「できない」の敬語・尊敬語・謙譲語・丁寧語の使い方と意味8選

謙譲語ですよと言われても、実際「できかねます」と「致しかねます」はどう違うのか、皆さんもわかりにくいのではないでしょうか。

「できかねます」「致しかねます」は、両者ともに「するのが難しい」という意味を、遠まわしに言う意味があります。

実際のビジネスシーンでは、次のように使うことが多いです。

・本日中の納品はできかねます

・本日中の納品は致しかねます

見比べてみても、どちらがどう違うのか、あまり区別はつきません。

実際、2つの言葉の違いは、「できかねます」が丁寧語主体での表現であるのに対して、「致しかねます」は敬語表現になっている点です。

そもそも「致す」は「する」の謙譲語なので、「致しかねます」は敬語の謙譲表現となります。

それを踏まえて考えると、より相手に敬意を示したいビジネスシーンでは「できかねます」よりも「致しかねます」を使った方が、相手への敬意が伝わっていいでしょう。

2.「できかねます」「致しかねます」の正しい使いわけ方は?

「できない」の敬語・尊敬語・謙譲語・丁寧語の使い方と意味8選

そもそも、「できかねます」「致しかねます」など「~かねます」という表現は、「できません」に比べると、遠まわしな表現です。

このような表現をビジネスシーンで使うのは、時と場合によっては逆効果になることもあります。

相手の受け止め方によっては「できない」と明言される方が、さっぱりと物事の方向性が分かって、いい場合もあります。

逆に「できかねます」とか「致しかねます」という表現をすると、「できない」と明言しているわけではないので、相手が「条件を変更すればできる可能性があるのではないか?」と誤解を招くこともありえます。

ですので、「~かねます」を使う場合には、事情や理由を明確にして「できる」「できない」のいずれかを、明確に伝えることが重要です。

先ほどの例文でも、相手の受け取り方はさまざまなものがありえます。

・本日中の納品は致しかねます。

 ⇒本日中は無理ならば、明日なら大丈夫なのか。

 ⇒本日中は無理と言うけれど、無理を言えば何とかしてくれるのか。

 ⇒すべての数量だけではなく、一部だけでも引き渡してもらえるのだろうか。

なんてなことを、先方は自分の願望も含めて考えたりするでしょう。

それもこれも「できかねます」「致しかねます」などの、多少のあいまいさを残した敬語で物事の結論を伝えたからでもあります。

その場合は、「納品までに2日お時間をいただいております」「明後日の納品であれば可能です」などと、結論に至った理由や、相手に対して満足できる結論ではなかった理由を、補足して伝えることで、相手の誤解を防ぐことが可能です。

 

【丁寧語】…「できない」の基本的な使い方と意味とは?

「できない」の敬語・尊敬語・謙譲語・丁寧語の使い方と意味8選

それでは、「できない」の丁寧語について見ていきましょう。

「できない」の丁寧語は、「です・ます」をつけて表現しますから、当然「できません」という言葉になります。

ビジネスシーンにおいて、丁寧語と思って「できません」と言ってしまうことで、相手を逆に憤慨させてしまうこともあります。

丁寧語なのに、なぜ憤慨するようなことになってしまうのでしょうか?

その理由も含めて「できません」の使い方をご紹介することにします。

1.「できません」だけでは理由が伝わっていない

「できない」の敬語・尊敬語・謙譲語・丁寧語の使い方と意味8選

ビジネスシーンにおいて、「できません」とストレートに言う人は、なかなかいません。

先ほどの章で紹介したように「致しかねます」とか「見送ります」などと、さまざまな表現で「できません」ということを伝えようとしますが、あいまいな伝え方だったせいで、後でトラブルになることだってあるのです。

友達とご飯を食べに行く約束なら「いける?」「いけない」で話が済みますけど、ビジネスの場合はそうはいきません。

「できません」と言われる側も、「なぜできないのか」「どこまで譲歩すれば”できる”のか」などと、言いたいことは山のようにあります。

このように「できません」だけではなく、なぜできないのかを伝えないと、相手への誠意ある対応とは言えません。

相手も立場があり、こちらの結論を会社に持ち帰って報告しなくてはならないのでしょうから、理由もなく「できません」とか「致しかねます」と連呼しても、相手を困らせるだけなのです。

2.ビジネス文書や電子メールで「できない」と伝えるときでも敬語体を使うこと

「できない」の敬語・尊敬語・謙譲語・丁寧語の使い方と意味8選

ビジネス文書や電子メールでも「できない」旨を伝える機会はあるでしょう。

その際でも、書面だからといって「申し訳ありませんが、できません」で終わらせてしまうようでは、受け取る相手の方にも失礼になってしまいます。

普段顔を合わせている相手であっても、やはりお断りの文書や電子メールを送る際には、嫌な印象を与えないためにもフォーマルな文章表現になるように注意しましょう。

また「致しかねます」という伝えたい内容だけを記載しても、相手に冷たい印象を与えてしまうので、こちらの意思を伝えつつ、誤解を招かないように、「大変申し訳ございませんが」などのような、内容をフォローすることのできるクッション文章を加えることも忘れないでください。

 

まとめ

「できない」の敬語・尊敬語・謙譲語・丁寧語の使い方と意味8選

ビジネスでは、取引先のお客様はもちろんのこと、自社の上司や先輩などに対して、「できません」と、要件を断らざるを得ないような、様々な状況が発生します。

時には「今すぐ決めろ!」というような、緊迫感を伴う状況もあるでしょう。

そのような時こそ、相手に敬意を示して適切な表現でお断りできることが、ビジネスマンとして必要な能力とも言えます。

ビジネスシーンでの断る場合の基本は、できるだけ婉曲で丁寧な表現を使うことと、クッション言葉などを用いて断り表現を和らげることです。

急な事態でも慌てないように、普段から適切な断り方が出来るよう、敬語の表現を確認しておきましょう。


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