ビジネスシーンでは、さまざまな相手と商談をしたり、取引相手からの要望、ユーザーからのクレームなど、さまざまな場面に出くわすものです。
それぞれの場面において、時に「緊張」することももちろんあるでしょう。
また、緊張することに伴って「震え」が来る人もいるのではないでしょうか。
緊張時の震えは、自律神経によってコントロールされている、いわば「生理現象」なので、自らの意思だけ「とまれ!」と願っても、どうにもならないことも多いのです。
今回は、緊張から来る震えをほぐすために知っておきたい8つの知識を、詳しくご紹介させていただきます。
1.緊張して震えが止まらない!震えを止める4つの方法とは?
まず、緊張して震えが出てきてしまった時、それをほぐすことのできる具体的な方法をご紹介しましょう。
ビジネスシーンでは様々な場面で緊張することがありますが、震えが出始めた時に、なかなか自分の意志だけではそれを止めることはできません。
ですので、意志だけではなく、具体的な対処法を実践することで、緊張による震えを少しでもほぐすことも可能なのです。
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そこで、場所や時間を問わずに、緊張して震えが来たそのときにすぐ実践できる方法をご紹介します。
①深呼吸して自律神経の働きを整える
昔から、緊張している人に対して、「深呼吸をしなさい」とアドバイスを送ることも多いものです。
実際、緊張していることを認識してから、大きく息を吸ってゆっくりと息を吐くと、緊張をほぐすことができます。
これは、深く呼吸をする事で、脳内の自律神経のうち「副交感神経」を活発にすることで、リラックス効果をもたらすことができるからです。
もともと自律神経には、日常活動の際に作用する「交感神経」と、リラックスしているときに作用する「副交感神経」があります。
このうち、プレッシャーやストレスなどの緊張状態に陥った時に特に活発に作用するのが交感神経です。
つまり、交感神経の作用が活発になればなるほど、震えなどを併発する緊張状態を引き起こすのです。
そんな緊張状態を、深呼吸をすることによって交感神経の働きを抑制し、代わりに副交感神経の働きを優位にすれば、緊張がほぐれ、震えもおさまるのです。
ちなみに、深呼吸をする際には、体の力を抜いて、筋肉をリラックスさせるように、手足の力を抜くことのできる状態で行うことをお勧めします。
例えば、畳の上など寝転がれる場所、ソファーなどリラックスして腰掛けることのできる場所で行うと、深呼吸もしやすくなります。
②ウォーキングやストレッチ運動で緊張した筋肉をゆるめる
緊張しているときには、たいていの場合、体の筋肉が萎縮しています。
このとき筋肉の萎縮を解消することで、緊張をほぐすことを試みることもお勧めです。
まず、簡単に出来る方法が「ウォーキング」です。
ウォーキングは場所を問いませんし、道具も必要ないので、商談中の休憩時間にもできますし、商談に向かう時に自動車ではなくあえて歩いて出向くことで、緊張しないように前もって運動をすることもできるでしょう。
また、緊張をほぐすためにはストレッチも有効です。
ストレッチによって、筋肉の萎縮が解消されれば、同時に心もほぐれるのです。
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ストレッチと言っても、専門の道具が必要なわけではありませんし、むしろ「ラジオ体操」と同じレベルの運動で問題はありません。
もし、実際にプレゼンテーションや商談を行っている最中に緊張で震えてきたら、歩きながら話すようにすれば、緊張も少しはほぐれます。
③手のツボを押して身体の緊張をほぐす
ツボとは、人間の体の様々な場所にある神経の分岐点のことです。
ツボは、その場所によって様々な効能があるので、その効能次第では、緊張状態を緩和したり、緊張状態で高ぶって作用している神経の働きを整えることもできるのです。
特に、手には緊張をほぐすためのツボがいくつかあります。
一番効果があるのは、手のひらの真ん中にある「労宮」というツボです。
緊張しているときには、労宮を約5秒間、ゆっくり押してゆっくり離すことを3回程度繰り返すと、自然に緊張がほぐれます。
また、手首の横にある「神門」というツボは、ゆっくりと回すように指圧すれば、自律神経の高ぶりを抑えることができます。
ビジネスシーンでは、商談中であっても、商談前であっても、手のツボを押すことはそんなに相手にも目立ちませんし、商談中でも自然にツボを押すことが出来るので、特に手のツボは覚えておくと損はないでしょう。
また、手のツボは、どんなタイミングでも簡単に指圧することができるので、緊張で震えがきた直後に実践すると、緊張をほぐすことが容易に可能です。
その他、手以外にも、肩にも緊張をほぐすツボがあります。
肩のいちばん高い所、首の後方の根元と、肩先真ん中にある「肩井」というツボは、この部分を揉みほぐすように押すことで、緊張がほぐれます。
緊張して肩こりがしていたり、首筋に違和感がる様な場合は、肩井もぜひ一緒に刺激して、身体の緊張感をうまくほぐすようにしましょう。
④胸を張って肺にたくさんの空気を入れる
緊張しているとき、私たちはどのような姿勢になっているか、考えた事があるでしょうか?
実際、緊張しているときの私たちの姿勢と言えば、縮こまっていて肩も固まっていて、「前屈み」になってしまっていないでしょうか。
そんな体勢では身体も固まって緊張がましてしまいますし、なにより新鮮な空気を吸うこともできていないので、脳の働きも鈍ってしまい、商談に欠かせない思考がうまくできないこともあるでしょう。
むしろ、緊張しているからこそ、意識的に胸を張って背筋を伸ばし、顔も前から斜め上に向けて上げてください。
イメージとしては、猫背になっている状態をあえて胸を広げ、上半身の縮こまっている筋肉が伸ばす姿勢になると思ってください。
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簡単にいえば「緊張している時にあえて胸を張る」ということを、ぜひ実践してください。
新鮮な空気を吸い込むことが出来れば、脳の働きも調子が良くなりますし、意識して姿勢を正すことで、肩こりや震えなど、体に出ていた緊張状態もうまく緩和することが出来ます。
2.緊張による震えをほぐすために実践したい4つの習慣とは?
先ほどの章では、緊張した時の対処方法をご紹介しましたが、やはり望ましいのは「緊張しない」事が一番です。
例えば商談に臨むにあたって「失敗したらどうしよう」と思えば緊張もするでしょうが、「きっとうまくいくだろう」と自信を持って臨めば、意外なことに緊張もしなかったり、震えるようなこともなかったりします。
この機会に、緊張に伴う不快な症状を抑制することのできる習慣を身につけましょう。
①心に余裕を持つ
先ほどの冒頭分でも述べましたが、「失敗してもよい」と開き直ることは、緊張をほぐすために有効な「心の持ちよう」です。
そもそも人が緊張するのは、「失敗してはいけない」というプレッシャーがあるからです。
逆に「失敗してもいいや」と心に余裕を持つことで、プレッシャーから開放されますから、そうすれば、当然のことながら緊張がほぐれます。
ある程度悟りを開くことが出来れば「失敗しても死ぬわけではない」「失敗してもまたやり直せばいい」と思えるようになり、緊張することそのものが減って来るのです。
・失敗することを考えるのではなく成功することを考える
・「失敗したらどうしよう」と失敗を前提とした思考に陥らない
・「この場合はこうする」「あの場合はこうする」と選択肢をたくさん持ちすぎて心の余裕をなくしてしまうことを避ける
これらの考え方を持つことが出来れば、心の余裕も生まれ「失敗即人生の終わり」のような極端な思考に陥ることもなくなるでしょう。
②自己暗示で自分に自信を持たせる
自分はできる、自分は成功するなどの「自己暗示」を上手にかけることが出来れば、緊張をほぐすこともできますし、なにより緊張することがなくなります。
・私は必ず商談を成功させることが出来る
・商談を成功させて会社に利益をもたらすことが出来る
・契約書にサインをしてもらうシーンが目の前にすぐに浮かんでくる
などのような、成功イメージを自己暗示として書けることで、緊張状態を緩和することも可能です。
この時、「私は成功する」ではなく「私は失敗しない」では、逆に緊張を呼び起こす場合もあります。
というのも、例えば「私は緊張していない」と自己暗示をかけようとした場合、「緊張」という言葉が含まれていることで、逆に緊張することを意識してしまい、かえって緊張してしまうこともあるのです。
つまり「緊張」という言葉を使うことで、逆にそれを意識してしまい、震えを伴うような緊張状態になってしまうこともあり得るのです。
ですので、自己暗示をかけるときには、成功体験をイメージするような暗示をかけるようにしてください。
③音楽を聴いてリラックスする
大切な商談やプレゼンテーションの前に、音楽を聴いてリラックスすることは、みなさんもすでに実践されているのではないでしょうか。
世の中には「音楽療法」という言葉があるように、音楽には精神をリラックスさせ、心身に活力を与える効果があるといわれています。
また、音楽の効能として、音楽の音源の周波数と脳内に流れる「脳波」が共鳴して、脳の働きをリラックスさせることが出来るともいわれています。
冒頭の章でも申し上げましたが、人間が目を覚まして活動中の場合は交感神経が、睡眠直前やリラックスした姿勢の時には副交感神経が動作するといわれています。
緊張状態で生じる震えを緩和するには、まず副交感神経が作用するように、脳内のスイッチを切り替える必要があります。
このスイッチを、音楽の力を借りて切り替えようとすると、音楽の内容やジャンル次第ですが、十分にそれを実践することが可能です。
最近では「ソルフェジオ周波数」といって、528Hzの周波数をもつ音楽を聴くと、リラックス効果があると言われています。
それ以外にも、自分が効くと心が穏やかになる音楽を選び、緊張する前に聞くようにすると、予防の効果も期待できるでしょう。
④緊張しない人のまねをする
なかなか緊張しない自分を作り出すことは難しいのですが、自分の周りには仕事においてもそつなくこなして成果を出す人も中に入るでしょう。
そういう人に限って、人前や商談中でも緊張せず、実力を十分に発揮し、成果を出す人も多いのです。
そんな人たちを「うらやましい」と見つめるよりも、その人たちが持っている「緊張しないノウハウ」をまねすることも考えてみましょう。
実際、私の周りの緊張しない人を見てみると、次のような特徴があります。
・成功した時のイメージを具体的に持っている
・失敗した時のフォロー方法も、具体的なイメージとして持っている
・人の成功を自分の成功のように喜ぶだけの器量を持っている
特に、成功した時のイメージを持ち合わせているというのは、逆を言えば「緊張している自分」というイメージは存在していない、緊張なんかしないと潜在的に刷り込んでいると言えるのです。
また、人の成功をねたむことなく、人の成功を喜ぶことのできる人は、それだけ「心の余裕」を持ち合わせている人間と言えます。
そのような人間のまねをすることで、緊張しなくなる方法や、緊張した時の対処方法を学ぶことも可能なのです。
まとめ
ビジネスシーンにおいて、緊張や震えが起こったとき、「どうしよう!」と動揺すればするほどさらに緊張が高まってしまい、悪循環に陥ってしまいます。
ぜひ、今回ご紹介した方法で、緊張している状態を緩和するようにしましょう。
実際、緊張して失敗をしてしまうこともあるでしょう。
ですが、緊張してもリカバリー出来たり、緊張を乗り越えて成功することが出来れば、それが一番の「自信」になります。
自信の積み重ねが出来れば、その分心の余裕もできてきて、何が起きてもあわてることもなく、当然緊張することもなく、そつなく仕事をこなしていけるようにもなるでしょう。
あと、緊張しているときは、誰かと話したりして、緊張状態から別の視野に気持ちを切り替えることも、緊張を緩和するきっかけになります。
実際、仲のいい同僚と他愛もない話をして笑うだけでも、身体の緊張がよくほぐれたりすることもあります。
ビジネスシーンですので、場をわきまえずに喋りすぎてはいけませんが、一人きりで緊張しっぱなしになっているよりは、リラックス効果があったりするので、困った時は自分だけではなく、他人の力も借りることを考えてみましょう。
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