面接と言えば、採用してもらう側にとって重要な試験の一部です。
実際、どれだけ知識や技術を持っていても、面接で見られる「人間性」「協調性」「規範意識」などを重視して採用する企業も多く存在します。
そんな面接に、何かの原因で遅刻してしまったとき、ついついうろたえてしまうものですが上手く対処すると、この大ピンチも乗り切ることができます。
ここでは、面接に遅刻したとき、相手に上手く理解してもらうためのポイント9つについてご紹介してきます。
1.面接に『遅刻しそう・してしまった』時に必要な3つの対応
面接に遅刻しそうになることは、実際にありえます。
寝坊とか急病とかはもちろんのこと交通機関のトラブルなども原因として考えられます。
さまざまな理由で面接に遅刻しそうになってしまう可能性はありますが、できることならそうならないように、余裕を持って外出したり、渋滞などの影響が少ない交通機関を利用したりするなど、前もって対策を講じておくことは必要不可欠です。
それでも、面接に遅刻しそうになってしまったとき、どのように対処すればいいかご紹介します。
①『まずは電話で』遅れる旨を伝えて指示を受ける
面接に遅刻してしまいそうなときは、それがわかりしだい速やかに電話を入れましょう。
スマホから電子メールとか、悠長なことをしている場合ではありません。
必ず電話をして、総務課や人事課などの試験担当課に取り次いでもらい、面接に遅れることを伝えます。
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また、電話をした時には、その後の指示をもらうためにも、自分の携帯電話の番号を必ず伝えておきましょう。
そうすると、面接に遅れてしまっても、「11時までには来なさい」「到着後に人事課へ立ち寄りなさい」など、どのように行動すればいいか迷わずに済みますね。
②『言い訳はせず』遅れた理由を簡潔に説明する
面接に遅れてしまうとき、当然理由次第では「遅れても受験していい」と許される場合もあります。
逆に、許してもらおうと、あることないことを並べたてた理由を述べると、言い訳と思われて、面接を受けさせてもらえたとしても、心象は明らかに悪くなってしまいます。
あと、遅れた理由を説明するときは、簡潔に説明することと、自分に過失が無いときは、その旨を伝えることです。
- 電車が止まってしまいました
- タクシーが渋滞に捕まっています
具体的に、自分自身の過失ではなく不可抗力による遅刻であることが伝わります。
また、できることなら「電車が止まったので、タクシーに乗り換えて急いで向かっております」と、遅れを取り戻すための行動を起こしていることも、先方に伝えることができれば、先方の心証をよくすることになります。
③自分の過失で遅れてしまった場合は『とにかく詫びる事』が大切
逆に、寝坊とか道に迷ったなどで、自分の過失により遅れてしまう場合は、とにかく詫びることです。
電話で詫びるのはもちろんですが、とにかく面接会場まではたどり着き、直接その会社の人に詫びることが重要です。
電話で詫びて「もう来なくていいです」と言われたとしても、とにかく面接会場に出向き、「お会いしてお詫びをさせてください」と、礼儀正しくお詫びをすることは絶対に必要です。
そこまでしたとき、「せっかく来たのだから面接を受けさせよう」となることもあるかもしれません。
それはそれで、受験者である私たちには結果オーライと言えるかもしれませんが、出向いて詫びることには、他にも大きな意味があります。
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それは、あなたの世代以降、あなたの後輩が受験するときに悪影響を及ぼさないと言うことです。
「あの大学の生徒は、昨年遅刻した先輩が失礼なやつだったから、あまりいい生徒が来ないかもしれない」と、ネガティブなイメージを植えつけてしまうと、あなたはいいかもしれませんが、あなたの後輩、あなたの母校に迷惑をかけてしまうことになります。
自分が面接を受けられなかったのは、理由の場合により「自業自得」となりますが、せめて自分の後輩と母校には迷惑をかけないように対応しましょう。
2.面接に『遅刻した理由』を伝えるための必須ポイント3選
奇跡的に、面接に遅刻をしても、面接を受けさせてもらえることになったら、それだけでも「ありがたい」と思いましょう。
もちろん、面接の中でも「どうして遅刻したのですか」「君は約束事を守ることができない人間なのですね」などと、一種の圧迫面接を受けるような状態になるかもしれません。
それらの困難を乗り越えて、ピンチをチャンスに変えるには、これだけのポイントを重視して面接に望みましょう。
①一番大切なのは『心からのお詫び』と『お礼』
まず、お詫びをして面接を受けさせてもらえることに、お礼を述べます。
遅れてしまったことで、まず遅れた理由を説明するのに躍起になってしまうかもしれませんが、面接を受けさせてもらえるのですので、自分の立場をどうこう言う前に、まずは面接を受けさせてもらえることへのお礼を述べましょう。
お礼を述べた後には、今回面接に遅れてしまったことに対して理由はとにかく、しっかり詫びることです。
自分の立場で、自分の主張ばかりを繰り返さないようにすることを心がけましょう。
②『遅れた理由』を簡素に説明する
先ほどの章でも述べましたが、「電車が遅れた」「タクシーが渋滞に捕まった」など、簡潔に遅れた理由の説明をします。
もちろん、面接の一環ですから「余裕を持って家を出なかったのですか」「渋滞にあうかもしれないと予測して行動できなかったのですか」などと、あなたの準備不足を問われる質問もあるでしょう。
- 8時には家を出ました
- 渋滞が少ない○○経由でこちらに向かっていました
その質問に答えられるように、実際に行動を起こしておくことは重要です。
なお、JRなどの鉄道が遅れたときには、遅延証明書を駅の窓口で発行しているので、必ず手に入れておきましょう。
場合によっては、遅延証明書を提出することで、面接に遅刻したことが、あなた自身の過失ではないことを証明できることがあります。
③自分の過失で遅刻した場合は『正直に・前向きに詫びる』
また、寝坊や道に迷うなど、自分の過失で遅刻した場合には「寝坊をしてしまいました」と素直に申し出ることが基本です。
寝坊と言う行為は決して許されるものではありませんが、そのことを反省している気持ちを表すことで、あなたの人間性を評価してもらえる可能性はあります。
例えば「遅刻をしてしまいました。社会人として最低の行為だと思いますので、今後は十分注意し誰よりも早く出社します!」と言えば遅刻と言うミスを反省しつつ、前向きに会社のためにアクションを起こすと言う意思表示ができます。
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もちろん、面接の最中ですから「そんなきれいごとを言うな!」と叱られることもあるでしょうが、叱られたときは素直に反省の意を伝え、さらに「こちらの会社でお世話になるチャンスをいただけるなら、ぜひ○○して、挽回させていただきたく思います」と実際に○○の部分を具体的に述べて、前向きな姿勢を見せましょう。
○○の部分は、自分の学んだことを生かし「科学薬品の研究成果」「マーケティング活動の成果」などと、具体的に述べることが重要です。
④他社の面接を受けていて遅れた場合は『あえて言わない』
遅れた理由を説明しようと、今まで書いてきましたが、必ずしもそうではない場合もあります。
それは、他社の面接を受けていて遅れた場合です。
そもそも、他社の面接を1日で複数入れておくことは、面接に遅刻してしまう原因になってしまいますから、できるだけ時間の余裕を持ってスケジュールを組みましょう。
それでも、どうしても掛け持ちで面接を受けていて、遅れてしまった場合には「他社の面接を受けていて遅れました!」とは言えません。
嘘はつかないほうがいいのですが、やはり「うちの会社は本命じゃないのか!」と思われて、面接を受ける前から結果がわかってしまうようなことは、むしろ先方に伝えない方がよいでしょう。
3.『面接に遅刻した時』に行うべき3つのアクション
面接を受けさせてもらえたときは、それだけで満足してしまう人も多いはずです。
面接を受けたと言うことは、その会社に採用してもらえるかどうか、その審判を受けている立場でいることを、ついつい忘れてしまいます。
面接を受けたからには、その会社にぜひ採用してもらいたい、そのために必要な行動を起こすことが重要なのです。
ですので、面接に遅刻した後には、次のようなアクションを起こして採用してもらえるように、そして自分に関わりのある人々や学校に迷惑をかけないように行動することが欠かせません。
①面接後、担当者に『電話でお礼』を述べる
面接後、翌日には担当者にお礼を述べましょう。
担当者が誰であるかは、面接を受けたときに実際に会うわけですので、ぜひ覚えておきましょう。
お礼を述べるからと言って、いきなり「課長さんをお願いします」と電話するのは失礼きわまりありません。
あなたは所詮受験生ですので、課長さんなどの上役にいきなり話ができる立場ではありません。
ですので、課長さんに上手く詫びている気持ちを伝えてもらうことをまず考えましょう。
具体的には、面接の時に担当をしていた平社員や、総務課や人事課の担当者を覚えておき、その人に電話をかけます。
そして、その担当者に電話で先日のお詫びとお礼を述べ、「課長様にもくれぐれもお詫びの旨、お伝えください」とだけお話しておきます。
お詫びだから直接お伝えするべきだと考える人もいるでしょうが、あなたはあくまで試験を受けただけの人、あつかましい姿勢は見せないようにしましょう。
むしろ、担当者を経由して、お詫びの気持ちが伝わるかどうかは、あなたがどれだけ気持ちを込めて話ができるかにかかっています。
②『電子メール』でもお詫びする
電話で上手く話ができたらいいものの、電話に出てもらえない場合、担当者が不在の場合もありえます。
その際は、電子メールで取り急ぎお詫びの気持ちを伝えるのも、効果があります。
電子メールでお詫びの気持ちを表すとしても、前述したように総務課や人事課の担当者を差出人とします。
もし、それらの人々の電子メールアドレスがわからない場合は、会社の代表の電子メールアドレスへ「人事課○○様」として、お詫びのメールを送りましょう。
送るときには、お詫びはもちろんですが、面接を受けさせてもらえた場合には、それに対する感謝の気持ちを合ませて書きましょう。
③大学など就職で『お世話になっている所』にもお詫びをする
会社によっては、面接を受けた受験生の所属する大学などに「○○くんはどのような生徒ですか」と、確認をしてくる場合があります。
特に、大学の恩師などが懇意にしている企業を受験した場合は、当然恩師に対して「○○くんのことを詳しく知りたいのですが」と、受験後に確認をされる場合が一般的です。
と言うことは、あなたが面接に遅刻したことも、ひょっとすると大学や恩師に伝わってくる可能性があるわけです。
ですので、面接に遅刻した場合は、自分から大学の関係部署、恩師に「このようなことになりました」と、状況を報告しておくべきです。
でも、このときに「こんなことになったので、何か話があればとりなしてください」などと、やらないようにしましょう。
企業は、あなた自身を見て採用を判断するわけであって、あの大学だから、あの教授の教え子だから、と言う視野で採用をするわけではありません。
あなた自身が、あなた自身を評価してもらって採用して欲しいのに、大学や恩師など、第三者の力を借りて採用してもらいたい!と行動するのはおかしいですよね。
まとめ
実際、就職活動において「遅刻」ということは、ありえることです。
実際に就職活動を経験してみると分かりますが、スケジュールの都合で、面接も1日に2社、3社と行かないといけないときがあるわけですので、遅刻しないようにスケジュールを調整しておくなど、遅刻をしないように前もって準備しておくことは欠かせません。
それでも遅刻してしまった場合は、素直に詫び、素直に説明することです。
素直さこそ、その人の人間性を表す部分です。
面接と言う行為は、その人の技術や知識を確認するためでもありますが、なによりその人の人間性を確かめるために行う試験なのです。
そのことを忘れなければ、面接に遅刻しても、あわてずに対応することができます。