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自営業者は税金が高い?開業したら知っておくべき税金の仕組み

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自営業者は税金が高い?開業したら知っておくべき税金の仕組み

税務署に開業届を提出すると、法律上の扱いが自営業者(個人事業主)となります。

自営業者として登録されるとさまざまな節税対策が使えるようになりますので、副業などである程度の収入が得られるようになった人は必ず開業届を提出するようにしましょう。

ここでは自営業者の人が使うことのできる節税対策の方法や、自営業者となったら注意しておくき消費税の扱いについて簡単に解説させていただきます。

節税対策は知識として知っているか知らないかによって税金の負担に大きな差が出ますので、使えるものは使っておくようにしておくのがおすすめです。

 

自営業者が税金節税のためにできること

自営業者は税金が高い?開業したら知っておくべき税金の仕組み

自営業者として登録して、最初の確定申告を済ませたばかりの人は「こんなに税金が高いなんて…」と不満に感じている方も少なくないかもしれませんね。

自営業である程度の収入が得ていると所得税や住民税、場合によっては消費税の負担もしなくてはならなくなります。

これらの税金についての節税対策としては以下のようなことを行っておきましょう。

①自営業者の節税対策の基本は経費処理

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自営業者の節税対策は「経費として処理できるものは残らず申告する」ことが基本となります。

自営業者となってまもない人の場合、自宅を事務所として使っていたり、自家用車を営業用の車を使っていたりというように家庭の費用と事業用の費用が明確に分けられていないことも多いですよね。

そのような場合には按分計算(あんぶんけいさん)で出費の一部を事業用の経費として処理するようにしましょう。

例えば、自宅を事務所として使っているというのであれば、事務所として使っている部屋の面積の割合を計算します。

②家計費として処理してきたものを経費処理する

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60㎡のアパート全体のうち、20㎡の一室を事務所と使っているのであれば事業用の部屋は全体の3分の1ということになります。

この場合、家賃が12万円だったとしたら、12万円×3分の1=4万円を事業用の費用として処理することが可能になります。

毎月4万円ということは年間で48万円も経費として処理できる金額が増えることになります。

所得税の税率が20%だったとすると48万円×20%=9万6000円もの節税効果があることになりますよ。

このようにして事業用の経費として処理できるものとしては水道光熱費、インターネットの費用、自動車の保険料、接待交際費などさまざまなものがありますので、残らず経費処理するようにしましょう。

③設備投資は減価償却費として経費処理

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特に、営業用の自動車や、店舗用設備など大きな設備投資を行った時には適切に経費として処理することで節税につなげることができます。

ただし、設備投資として10万円を超える金額の出費を行った時には、支払った金額すべてをその年の経費として処理することができないので注意しておきましょう。

例えば、10年使えるものを設備を100万円で購入したというような場合には100万円÷10年間=10万円を毎年経費として処理していくことになります。

このような処理の仕方を「減価償却費(げんかしょうきゃくひ)」といいます。

減価償却費として何年間かけて処理していくかについては、どのようなものを購入したかによって法律で決まっていますので、詳しくは税務署に質問してみると良いですよ。

例えば、「営業用の自動車を購入したのですが、何年間かけて減価償却費として処理するべきですか?」といったように質問すればていねいに教えてもらえます。

④自営業者は配偶者や家族を専従者扱いにしよう

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自営業者が使える節税対策として、「青色事業専従者給与」というものがあります。

これは簡単にいうと一緒に事業を行っている家族に対してお給料を出すというものです。

例えば、奥さんやフリーターの息子を「事業専従者」として登録することで彼らに生活費やおこづかいとして渡したお金を経費処理してしまうというものです。

青色事業専従者給与を利用するためには、税務署に対して「青色事業専従者給与の届け」を提出しておかなくてはなりませんので注意しましょう。

また、15歳未満の人や同居していない家族は事業専従者として登録することはできませんので注意してください。

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自営業になると消費税を払わないといけない?

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自営業としての売上が年間1000万円を超えるようになると、「消費税課税事業者」として消費税の支払いをしなくてはならなくなります。

「消費税の支払いをする」といわれると、「普段から払っているけど?」と不思議に感じる方もおられるかもしれません。

例えば、100円のお菓子をスーパーで買ったら100円×8%=8円の消費税を加算して108円を支払いますよね。

しかし、これは「消費者」として支払う消費税の話です。

事業者として支払う必要がある消費税はちょっと意味が違うので注意しましょう。

①消費税の納付の仕組み

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上のようにして消費者として支払った消費税が、その後のどのようにして国に納められるのかを考えてみましょう。

例えば、スーパーで買い物をしたら商品本体の価格1000円に対して80円の消費税をプラスして支払います。

スーパー側の立場で考えると、この8円は自分の収入ではなく、消費者から預かった「仮受消費税80円」として処理しなくてはなりません。

ここで「仮受」というのは「自分のものではないけど、仮に受け取った」という意味ですね。

②商品を仕入れた時には「仮払消費税」が発生

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また、スーパー側も仕入れなどの際に消費税を別の業者に支払うことがあります。

例えば、卸売業者に対して商品の仕入れとして600円の買い物をした時には600円×8%=48円の消費税を支払います。

この時にもスーパー側は経費処理のために「仮払消費税48円」として処理します。

ここでも「仮払」というのは「相手に渡すわけではないけど、仮に払っておきます」という意味です。

ここで、スーパーの経理では仮払消費税が80円、仮受消費税が48円あることになります。

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消費税課税事業者に該当する自営業者は、この仮払消費税と仮受消費税との差額(80円ー48円=32円)を1年に1度国に対して納めなくてはなりません。

これが消費税課税事業者となっている自営業者が消費税を支払うまでの流れです。

③仮払消費税が含まれない経費支払いもあるので注意

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上の説明を見ると、仮払消費税が多くなれば多くなるほど、消費税の負担は小さくなることがわかります。

消費税の金額は「仮受消費税ー仮払消費税」で計算しますので、例えば仮受消費税が100円だったとすると、仮払消費税が60円である場合と、80円の場合とでは消費税の負担額は以下のように変わってきますよね。

仮受消費税は100円で、

  • (1)仮払消費税が80円だった場合、消費税支払額は20円
  • (2)仮払消費税が60円だった場合、消費税支払額は40円

上記では(1)の方が消費税支払額が少ないのでお得、ということになります。

しかし、経費として処理できる支払いの中には消費税が含まれるものと含まれないものがあるので注意が必要です。

日本国内での支払いであれば基本的には消費税が含まれていることになるのですが、例えば従業員へのお給料支払いには消費税が含まれていません(サラリーマンの人が受け取るお給料明細には「消費税」というような項目はありませんよね)

一方で、従業員ではない外部の人に対して支払った経費については消費税がかかります。

例えば、外注費用として支払ったお金については仮払消費税が含まれるということですね。

外部のデザイナーから100万円の支払いを求められた場合には、その100万円のうち7万4000円は仮払消費税ということになります(100万円÷1.08%=92万6000円が本来のサービスの価格です。92万6000円×108%=約100万円となりますよね)

そのため、デザイナーやライター、アフィリエイターの方など、仕入れなどの経費はなく、経費は従業員への支払いだけといったような場合には消費税の負担額は大きくなる傾向がありますので注意しておきましょう。

④消費税課税事業者になる条件

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ここまでの内容を読んだ方の中には、「これまでそんな消費税の処理の仕方はしてこなかったけど、大丈夫なの?」と心配になってしまった方もおられるかもしれません。

しかし、上記のような諸費税の処理の仕方をしなくてはならないのは、「消費税課税事業者」に該当する自営業者だけです。

仕事の売上が1000万円を超えない方の場合は上記のような処理をする必要は基本的にはありませんので心配はありません。

消費税課税事業者となる条件は、「1年間の課税売上が1000万円を超える人」です。

ここで、課税売上というのは日本国内で発生した売上のことをいいます。

医療や介護サービスなど、特殊な仕事をしている人以外の売上げは原則としてすべて課税売上げに該当すると考えておきましょう。

⑤自分は課税事業者?判断の仕方

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上で「1年間の課税売上が1000万円を超えると消費税課税事業者となる」という説明をしましたが、ここでは具体的にどのようにして消費税課税事業者となるのかについて考えてみましょう。

消費税課税事業者になるのは、「課税売上高が1000万円を超えた年の2年後」です。

例えば、自営業者として事業を始めた後の課税売上高が以下のように推移したとしましょう。

  • 1年目:500万円
  • 2年目:800万円
  • 3年目:1000万円
  • 4年目:700万円
  • 5年目:1200万円(課税事業者となる)
  • 6年目:1000万円(課税事業者とならない)
  • 7年目:1100万円(課税事業者となる)
  • 8年目:1500万円(課税事業者となる)

この場合、3年目で課税売上高が1000万円を超えていますので、3年目から2年後の5年目からは消費税課税事業者となることになります。

上記では4年目に売上高が700万円に落ちて1000万円未満となっていますが、あくまでも消費税課税事業者となるかどうかの判断は「1000万円を超えた年の2年後」で判断しますので、5年目は消費税課税事業者となります。

なお、6年目は4年目の課税売上高から消費税課税事業者となるかを判断しますので、課税事業者とはならないことになりますね。

⑥開業当初2年間は課税事業者とならない

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上の説明の原則で考えると、開業初年度から1000万円を超えたような場合には、3年目に課税事業者となることになります。

  • 1年目:1000万円
  • 2年目:800万円
  • 3年目:700万円(課税事業者となる)

法律の規定としては、本来「課税売上が1000万円を超えたら消費税課税事業者となる」という扱いにするのがシンプルでわかりやすいのですが、開業してすぐに消費税の支払いをしなくてはならないということになると自営業者の負担がかなり大きくなってしまいます。

国としてはたくさんの人に事業者としてがんばってほしいと考えているため、開業当初2年間は消費税の負担は考えなくてもいいですよという扱いにしてくれているわけですね。

消費税の申告は税法の知識がないとなかなか難しい部分があるので、自営業者の人は売上が1000万円を超えたタイミングで税理士に顧問を依頼するケースが多いようです。

⑦輸出業者は消費税が還付になることも

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ここまでは国内で事業を営んでいる方向けに消費税の扱いについて解説させていただきました。

自営業者の方の中には海外に商品を輸出したり、海外の会社から依頼を受けて仕事をしているという方も少なくないでしょう。

そのような方の場合、消費税は「免税」という扱いとなります。

消費税は「商品やサービスが国内で消費されること」に対して課税される税金ですので、商品やサービスが海外で消費されるような場合には課税されないのです。

消費税が免税になるとどのような良いことがあるかというと、1年に1度消費税の申告を行うことで「消費税が還付(かんぷ:戻って来る)」ことが挙げられます。

例えば、国内で商品を仕入れて、海外の事業者に対して商品を売っているというような場合、消費税の扱いは以下のようになります。

  • 海外での売上げ1500万円:仮受消費税は0円
  • 国内での仕入れ1000万円:仮払消費税は80万円

海外への輸出売上げは消費税は免税となりますので、仮受消費税は0円です。一方で、国内での仕入れについては通常どおり消費税がかかりますので、仮払消費税は80万円となります。

⑧消費税が還付になる仕組み

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課税事業者となっている人は、1年に1度消費税の申告を行うのでした。

申告額は「仮受消費税ー仮払消費税=消費税支払額」で計算します。

しかし、上の輸出事業者が1年に1度消費税の申告を行うと、消費税の仮受額がマイナス80万円ということになりますよね(仮受消費税0円ー仮払消費税80万円=マイナス80万円)

そのため、この輸出事業者は1年に1度消費税の申告を行うことで、80万円を国から受け取ることができることになります。

国としては海外に対して商品やサービスを輸出する事業者を優遇したいという意図があるため、輸出事業者に対しては消費税の還付をするという仕組みになっているわけですね。

⑨輸出事業者は初年度から課税事業者になろう

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このように考えると、輸出事業者にとっては消費税は課税事業者になった方が得をすることになりますよね(還付になるので)

しかし、原則的な形だと開業してから2年間は課税事業者とならないことになります。

これだと開業1年目と2年目については消費税の還付を受けることができなくなってしまいますので損です。

そのため、海外に対して輸出を行っている自営業者の方は初年度から「消費税課税事業者選択届出書」を税務署に提出し、課税事業者となることを選択するようにしましょう。

初年度から消費税の課税事業者となることで消費税の還付を受けられるようになりますよ。

 

まとめ

自営業者は税金が高い?開業したら知っておくべき税金の仕組み

今回は、自営業者の方向けに節税対策や消費税の扱いについて解説させていただきました。

特に、自営業者にとって消費税の支払いは大きな負担となる可能性があります。

消費税は1年に1度まとまった金額を支払う必要がありますので、日常的に仮払消費税の金額と仮受消費税の金額はわけて経理をして消費税の負担額を把握しておくようにしましょう。

売上高の金額にもよりますが、デザイナーやアフィリエイターなど経費の負担が少ない事業者の方は消費税の負担額が大きくなることもありますので注意が必要です。

消費税については処理が複雑になりますので、売上額が1000万円を超えた場合には税理士に顧問をしてもらうことを検討しておくと良いかもしれませんね。


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