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【税金控除の仕組み解説】2種類の控除を活用した所得税の節税方法

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【税金控除の仕組み解説】2種類の控除を活用した所得税の節税方法

日本の税金の仕組みは「世界一ややこしい」と言われています。

単純に手元に残ったお金に税率をかけて、税金を計算することができれば簡単ですよね。

しかし、実際にはこの「手元に残ったお金」と税金の計算で使われる「所得」の金額とが食い違うことがあるため、税金の計算はややこしくなっているのです。

特にメインの税金である所得税の計算では「控除」という考え方があるため、計算方法が一見難しくなっています。

逆にいうとこの「控除」について理解してしまえば計算はそれほど難しくはありません。

ここでは、この「控除」という言葉の意味にフォーカスしながら所得税の計算方法についてご紹介していきます。

 

1.所得税「控除」の仕組みについて

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所得税の金額は、ざっくりいうと「(儲かった金額ー控除)×税率で計算できます。

例えば八百屋さんが1年間商売をして、最終的に1000万円のお金が手元に残り、控除(あとで説明します)の金額が100万円あったという場合は、税率が10%だとすると(1000万円ー100万円)×10%=90万円が支払うべき税金ということになります。

上の計算式を見ると、控除の金額が多くなるほど税金も安くなるという事がわかります。

例えば、上の例で控除が100万円ではなくて200万円あったとすれば、税金の金額は(1000万円ー200万円)×10%=80万円となり、さっきよりも10万円税金が安くなりますよね。

問題はこの「控除」って何なのか?ということですが、日本の所得税の計算では控除は2種類に分かれています。

 

①所得税の控除には「所得控除」と「税額控除」の2種類がある

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所得税の控除には「所得控除(しょとくこうじょ)」と「税額控除(ぜいがくこうじょ)」の2種類があります。

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所得控除というのは、「一定の種類のお金を払った時には、その金額に税率をかけた金額だけ税金を安くしてもらえる」という仕組みのことです。

一方で、税額控除というのは、「一定の種類のお金を払った時には、その金額がそのまま税金から差し引きしてもらえる」仕組みです。

なにが違うかというと、所得控除の方が一定額の支出に「税率をかけた分だけ」税金が安くなります。

例えば所得控除の金額が100万円で、税率が10%だったとすると100万円×10%=10万円だけ所得税が安くなるイメージです。

一方で税額控除の場合は、税額控除の金額が100万円だったとすると、その100万円そのままが所得税の金額から差し引きしてもらえます。

完結にいうと、税額控除の方が所得控除よりもお得ということですね。

 

②「(儲かった金額ー所得控除)×税率ー税額控除」が正式な所得税の計算式

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先ほどは、所得税の計算式は「(儲かった金額ー所得控除)×税率」で計算するという説明をさせていただきました。

これは話を簡単にするために「税額控除」をとりあえず除外した計算式です。

控除というのものには2種類あるということを説明する前から、この正式な計算式を説明するとややこしくなります。

よって、単純化した計算式を説明させていたわけです。

税額控除も含めた正式な所得税の計算式は「(儲かった金額ー所得控除)×税率ー税額控除」です。

例えば、以下のようなケースを考えてみましょう。

  • 儲かった金額:1000万円
  • 所得控除の金額:100万円
  • 税額控除の金額:10万円
  • 税率:10%

この場合、所得税の金額は「(1000万円ー100万円)×10%ー10万円=80万円」になります。

上でも説明させていただいた通り、所得控除は「控除額に税率をかけた金額だけ安くなる」、税額控除は「控除額そのままの金額だけ安くなる」ということがわかると思います。

 

③所得控除は現在14種類もある

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所得控除「一定の種類のお金を払った時」に計算するということを説明させていただきました。

次は、実際にどのような種類の支払いをしたら所得控除に該当するのか?について知っておきましょう。

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所得控除として認めてもらえる支払いが多くなればなるほど税金は安くなりますので、自分が1年間で支払った支出のうち、どれが所得控除に該当するのかを知っておくことはとても大切です。

現在、所得控除には以下の14種類があります。

なお、配偶者控除や扶養控除のように、特定の支出をしなくても、家族がいるというそれだけで所得控除として認めてもらえるケースもあるので注意が必要です。

また、基礎控除はすべての人が認めてもらえる所得控除です。

  1. 社会保険料控除
  2. 生命保険料控除
  3. 地震保険料控除
  4. 配偶者控除
  5. 配偶者特別控除
  6. 扶養控除
  7. 基礎控除
  8. 寄附金控除
  9. 医療費控除
  10. 雑損控除
  11. 小規模企業共済等掛金控除
  12. 障害者控除
  13. 寡婦(夫)控除
  14. 勤労学生控除

 

2.【所得控除の例】社会保険料控除について

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具体的な税金計算のイメージを持つために、14種類ある所得控除からいくつかピックアップして具体的な計算方法を確認しておきましょう。

ここでは代表的な所得控除として社会保険料控除の計算方法を取り上げてみます。

 

①社会保険料は支払額全額が控除される

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サラリーマンの人の場合、社会保険料は毎月受け取るお給料の金額から天引きされているのが普通です。

給与明細を見ると「厚生年金」や「健康保険」といった項目があり、本来のお給料の金額から差し引きされていますよね。

これらが社会保険料に該当します。

あなたが支払った社会保険料は、支払額の全額が所得控除として認めてもらえます。

所得控除で実際に安くなる税金の金額は上でも説明させていただいた通り「支払った金額×税率」で計算できます。

例えば、年間で50万円の社会保険料を支払ったという場合、税率が10%だったとすると、50万円×10%=5万円だけ税金が安くなることになりますね。

 

②個人事業主の人は、社会保険料は自分で支払う

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サラリーマンの人はお給料から社会保険料が天引きされますが、自分で事業を営んでいる個人事業主の方は、市役所から送られてくる納付書を使って自分で社会保険料を支払わなくてはなりません(市役所で手続を行えば口座引き落としも使えます)

個人事業主の人は国民健康保険と国民年金に加入しています。

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個人事業主の方の場合、確定申告時に支払った社会保険料を自分で計算しなくてはなりませんので、支払うたびに領収書を保管しておくようにしましょう(口座引き落としの場合、銀行通帳に記帳しておけば問題ありません)

 

③社会保険料控除の対象となる支払い

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社会保険料控除の対象となる社会保険料は、上記の通り「健康保険と厚生年金(個人事業主の方の場合は国民健康保険と国民年金)」が基本ですが、それ以外にも社会保険料控除の対象となる支出があります。

具体的には以下のような支出が社会保険料控除の対象となります。

なお、国民年金基金や厚生年金基金は、働けるうちに少し多めの掛け金を支払っておくことで、老後にもらえる保険金が割り増しになる仕組みです。

  • 介護保険料
  • 雇用保険料
  • 後期高齢者医療制度の保険料
  • 国民年金基金の掛け金
  • 厚生年金基金の掛け金など

 

3.【税額控除の例】住宅ローン控除について

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次に、所得税の2つの控除(所得控除と税額控除)のうち、税額控除についても具体的な計算例を確認しておきましょう。

税額控除は上でも説明させていただいた通り、一定額をそのまま税金から差し引きしてもらえる控除のことです。

税額控除としてもっとも有名なのは住宅ローン控除というものです。

住宅ローン控除はマイホームを購入するために住宅ローンを組んだ人が利用できる税額控除です。

なお、住宅ローン控除は住宅ローンを組んだ年から起算して10年間にわたって適用してもらうことができます。

 

①住宅ローン控除の計算式

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住宅ローン控除で差し引きしてもらえる金額は、「住宅ローンの年末残高×1%」で計算します(年末残高というのは、12月31日現在での借金の残高という意味です)

例えば、住宅ローンの年末残高が3000万円である場合、住宅ローン控除の金額は3000万円×1%=30万円です。

住宅ローン控除は税額控除(一定額が税額からそのまま差し引きされる)ですので、上の場合は30万円までであれば所得税は0円になるということになりますね。

例えば、以下のようなケースを考えてみましょう。

  • 儲かった金額:400万円
  • 所得控除の金額:100万円
  • 住宅ローン控除の金額:30万円
  • 税率:10%

この場合の所得税の金額は、(400万円ー100万円)×10%ー30万円=0円ということになります。

住宅ローン控除のような税額控除の節税効果の高さがわかりますね。

なお、所得税の金額から差し引きしきれなかった住宅ローン控除の金額は、住民税からも差し引きすることができます。

例えば、以下のようなケースでは住宅ローン控除を差し引きしきれないことになります。

しかし、その差し引きしきれなかった金額は住民税から差し引きすることが可能です。

  • 儲かった金額:400万円
  • 所得控除の金額:150万円
  • 住宅ローン控除の金額:30万円
  • 税率:10%

所得税の金額:(400万円ー150万円)×10%ー30万円=マイナス5万円

このマイナス5万円は、住民税から差し引きすることができます。

例えば住民税の金額が20万円だったとすると、上記の例では20万円ー5万円=15万円だけ住民税を支払えばOKということになりますね。

 

②住宅ローン控除のメリット

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上の例を見ると、住宅ローン控除は所得控除などと比較するととてもお得な制度であることがわかります。

なぜこのようにお得な仕組みになっているかというと、国が私たちにどんどん住宅ローンを組んでマイホームを買ってほしいと考えているからです。

住宅ローンを組んでマイホームを買えば税金がとても安くなる、ということを知っていればマイホームを購入しようとする人が増えますよね。

あなたがマイホームを購入すると不動産会社やオーナーはその分現金を受け取ることになりますので、国全体で見ると経済が活性化していくというわけです。

住宅ローン控除によってマイホームを購入する人が税金の面で優遇されているのには、このような背景があるのです。

 

③住宅ローン控除も確定申告が必要

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住宅ローン控除を適用してもらうためには、サラリーマンの方であっても確定申告を行う必要がありますので注意してください。

サラリーマンの方は普段は勤務先の会社で「年末調整」という形で所得税の計算を行っているため、基本的に確定申告を行う必要がありません。

ですが、住宅ローン控除を利用して税金を安くしてもらうためには、住宅ローンを組んだ年分の所得税の計算についてだけ、確定申告を行わなくてはなりません。

例えば、2017年に住宅ローンを組んでマイホームを購入したという人は、翌年の2018年2月16日〜3月15日の間に、2017年分の確定申告を行う必要があります。

なお、住宅ローン控除は住宅ローンを組んだその年分だけ確定申告を行えば、翌年以降は確定申告は必要ありません(勤務先に年末調整をしてもらうだけでOKです)

上記の例でいえば、2017年分の確定申告を行う事で、それ以降の9年分(2018年〜2026年分)については勤務先の年末調整だけで住宅ローン控除を適用してもらうことが可能になります。

 

まとめ

【税金控除の仕組み解説】2種類の控除を活用した所得税の節税方法

今回は、所得税の計算について「控除」の意味に着目して解説させていただきました。

税金の計算は経験のない人にはとてもとっつきにくく感じるかもしれません。

しかし基本的な仕組みを理解しておけば、それほど難しいものではないのです。

基本的な仕組みというのは、本文で解説させていただいた通り「所得税の金額=(儲かった金額ー所得控除)×税率ー税額控除」ということですね。

所得税の計算についての不明点はもよりの税務署に相談すると丁寧に教えてもらうことができます。

また税務署で、ご自分の税金計算を行う際には、同時にアドバイスをもらえばより進めやすくなります。


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